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喫煙と肺がんおよびその他のがん

竹本和夫*1

はじめに

紙巻たばこ喫煙によるがんの発生は、主たる組織として呼吸器系の鼻腔・気管・気管支・肺の上皮組織に関係を求められ、その他臓器はむしろ従であることは、実験および疫学研究の成績などから検討されている。従来の医学的見地から喫煙と肺がんの関係を強く指摘する事項として、(1)たばこ主煙流タール中に既知の強力な発がん物質ペンゾ(a)-ピレンをはじめとする多数の化学物質の分析証明、(2)人工気管瘻作製犬などの強制喫煙による肺がん(気管支がん)の実験的証明、(3)ヒト肺がんの疫学的研究による喫煙の関与、特に量・影響関係(dose-effect relationship)、量・反応関係(dose-response relationship)の統計的数値の証明、以上3つの事項などから両者の関係を結論づけている。したがって、世界多くの研究機関も、喫煙による肺がんの発生を肯定的に評価している1)

しかし、肺がんの発生にはまだまだ未知の因子が存在し、肺がん増加の原因を喫煙のみに求めることはあまりにも短絡的であり、他の内外の因子を可及的に追求する必要が生じている。たとえば、他の環境因子である大気汚染(有毒ガス、粉塵など)や職業的暴露(クロム、ニッケル、アスベストなど)の外的な環境因子はもちろん、他の項目で述べられている遺伝子関係の内的因子も重要である。

喫煙科学研究財団による助成研究では、喫煙と最も関係の深い肺がんに関する研究が主流を占めており、文献的考察と統計学的研究をはじめとして、実験を中心とした論文、ヒト肺がんの病理組織学的な検討、その他の部位の発がんに大別される。肺がんにも扁平上皮がんと腺がん系の発生機序および予防に関するものなどがあり、それぞれを総括してみる。

喫煙の動物実験

Clark、Hammond、Auerbachらの犬気管切開による気管支がん発生実験が有名であるが、 沢田らは開胸手術により犬(10kg)の区域気管支と肺実質に火傷瘢痕をつくり、たばこタール中に存在する既知の局所性発がん物質ペンゾ(a)-ピレンをsilicone rubberに混じたペレット状の徐放剤を移植固定し、1年以上放置しながら、途中、細胞診と組織診を実施した。末梢部では腫瘍の発生は陰性であったが、主気管支ではsevere dysplasiaとcarcinoma in situが認められた。この実験から、異型増殖部の核DNA、蛋白量をUV顕微分光測定とFlow Cytometryで解析し、diploid cellとhigh ploid cellを検討して、良性と悪性の根拠とした。この手法を用い、ヒト肺がんの肺門部主気管支扁平上皮がん系について、化生増殖・上皮内がん・進行がんの解明に移行している2)12)-18)

マウス、ラット、ハムスターなど小動物を用いた人工喫煙実験は種々実施されているが、ヒト肺がんの疫学的な数値に比較すると、実験成績はむしろ肯定的な結果は弱いのが現状である。竹本らは肺腫瘍嫌発系マウスを用い、妊娠中、皮下、腹腔内および吸入により、肺発がん物質であるウレタン(ethyl carbamate)、ENU(ethylnitrosourea)を投与し、これに喫煙暴露を負荷して肺腫瘍発生を比較した。喫煙はイニシエーターとしての作用は不確実であるが、プロモート作用は明確であり、同時に実施したディーゼルエンジン排ガスがより強い発がん作用を示した19)-21)。さらに、ラットにNHM1(nitrosohepta methylenimine)を投与する実験が行われており3)、竹本らはこれをラットに各濃度で飲用させ、肺扁平上皮がんを発生させる実験を行い、喫煙負荷の影響を追究した。これに先立って行われたマウスを用いた実験では、肺発がん物質の投与とたばこ主流煙による長期の喫煙暴露により、腫瘍発生の促進作用が明確であったが、ラット、ハムスターについては喫煙のこのような作用は確実には認められなかった。しかし、ラットを用いたNHMIとの併用実験では、喫煙暴露の発がん促進作用が明らかであり、また、マウスを用いた実験では腺がん系が主流であったのに対し、扁平上皮がんが主体であったことは、きわめて風味深い22)-24)

林らによると、Fron 112の静注によりラットに生ずる肺内繊維化巣は、肺発がん物質DHPN(N‐Bis(2‐hydroxypropyl)nitrosamine)投与による末梢実質部の発がんに関与するが、発生機序に関連して、II型肺胞上皮細胞が母地となるという興味ある所見が認められた。また、あらかじめFron 112を静注すると、DHPN単独投与にくらべてがんの発生率が上昇する。しかし、10ppm NO2、 0.5ppmオゾン、喫煙を種々組み合わせた長期の暴露実験では、alveolar bronchiolizationがみられているものの、腫瘍発生は認められていない25)-27)

ほかに、肺気道の上皮の病変について、80%酸素のラット吸入実験により、クララ細胞の膨大が48時間で強く起こり、細気管上皮の分裂もみられたとの報告もある28)

鈴木らは、喫煙関連物質あるいは血管作動物質ががん組織の小血管血流(microhemodynamics)に与える影響を検討するため、ラット移植がんの超高感度ビデオ画像を解析し、nicotine、angiotensin II、種々のadrenaline作動薬などを用いてそれらの影響を観察している29)

蟹沢らは、ヌードマウス皮下へヒト肺腺がん手術肺の正常組織を移植し、定着を確認後、肺発がん性を有する4-nitroquinoline l-oxide(4NQO)を投与すると、血行性に移植組織に到達し、移植肺組織内の末梢気道上皮に扁平上皮化生、腺腫様過形成が起こることを報告した30)

さらに、ウサギ気管上皮の基底細胞は、ビタミンA欠乏ヌードマウスへ移植すると、正常群に比較して線毛細胞、分泌細胞への分化能が低下し、扁平上皮化生の多発がみられた31)。また、ハムスター胎児肺を他のハムスター脊部皮下へ移植し、種々の分化能を証明、気道上皮の種々の研究への道を示唆している32)

蟹沢らはまた、たばこタールが間接的に消化管から吸収されたときの影響を明らかにするため、4NQO誘発マウス肺腫瘍を用いた実験を行っている。マイルドセブンの夕ール0.15%水溶液を飲用投与すると、単独では諸臓器の形態学的変化はなく、4NQO投与併用群では肺腫瘍発生率に影響は認められないが、肺腫瘍の発生個数は多発する結果を得ている。また、同タールをオリーブ油、コーン油に溶解し、胃ゾンデによる強制投与を頻回、長期に実施すると、単独で肺腫瘍発生率が高まる傾向を示している33)-35)

一般に10~20年以前には、各種動物の喫煙実験が行われていたが、近年報告論文は減少し、やや淋しい気もする。

肺がんの臨床病理学的研究

肺がん増加の原因については、清水らの報告4)があるが、常俊は総括的研究として多数の文献を収集し、人口密度が高く、工業化の進んだ都市部に高率で、大気汚染を含む環境の関与を無視できないとした。また、ハイリスクファクターとしてコレステロール大量摂取が、ローリスクファクターとしてカロチン、ビタミンAなどが明らかにされた。組織型別に肺がんをみると、扁平上皮がん型と腺がん型では、喫煙の関与は扁平上皮がん型に認められるが、腺がん型については他の因子を想定している36)。咽喉頭がんについては、喫煙以外に飲酒の関与も考えられ、肺がん・喉頭がんの重複発例の率が高いことから喫煙を共通因子と指摘した文献もある。動物実験の文献からは、ハムスターの喫煙暴露実験で喉頭腫瘍との関連が示唆されるが、ラット、マウス、犬では病変発生の記録はみられなかった5)

東京大学の病理学グループは、以前からの剖検記録を分析し、各悪性腫瘍について約50年間にわたる9,107例を用い、喫煙の関与を4つの期間に分けて検討した。その結果、喫煙によって比率の増加する腫瘍は肺がんのほか男女の食道がん、男性の副鼻腔がんであり、逆に男性の結腸がん、女性の骨髄がん(白血病)は喫煙群の比率が低かった。また肺がんの組織型については、小細胞がん、扁平上皮がん、腺がんの順に喫煙の関与が低下している。剖検記録による重複がんは152例で、悪性腫瘍例の3.4%を占め、期間が近年に及ぶに従いその比率が増加しているが、男性に限った場合でも、喫煙指数と重複がん比率の関係は認められなかった。しかし、肺がんとの重複例の比率は重喫煙者に高く、この現象には人口の高齢化と第一がんの治療成績も関係すると考えられている37)-39)

つぎに、町並らは、東京大学の連続剖検例を用い、男性37例および女性24例を対象として、非喫煙群(喫煙指数:1日喫煙本数×喫煙年数=0)、軽喫煙群(喫煙指数=1~400)、中喫煙群(喫煙指数=401~1,000)、重喫煙群(喫煙指数=1,001~)の気管支・肺を形態学的、組織学的に比較した。胸膜面の炭粉沈着と喫煙との関係は軽度であるが、気腫性変化は喫煙により頻度が増し、その程度も強くなった。左右主気管支粘膜病変は、男性に多く、喫煙群にやや多い傾向を示した。気管支腺の量的分布は、喫煙指数が軽・中等度で増量するが、重喫煙群では減少した。ただし、女性では、逆に重喫煙群での増加がみられている。粘膜の神経内分泌細胞は、chromogranin A+B陽性細胞数を指標として観察すると、軽度喫煙群で増加しているが、中・重度喫煙群では非喫煙群に近づき、一定の傾向は認められていない40)-42)

森田らは、剖検例に基づき、肺がん組織型と喫煙との関係を検討してきたが6)、財団の助成研究では、国立病院医療センターの成人剖検症例のうち喫煙歴の判明している287例(男性201例、女性86例)を用い、肺がんの組織型および分化度と喫煙指数との関係を解析した。その結果によると、男性喫煙者に高中分化型扁平上皮がん・小細胞がんが多く、腺がんでは中分化型:低分化型の比率が高い。女性では、非喫煙者の高分化腺がんが多いのに比して、喫煙者ではその傾向はなく、高分化型の扁平上皮がんが多発している。喫煙指数別ではその上昇につれて、男女比が扁平上皮がんで5.5、小細胞がんで3.9と高くなることが注目された。また原発部位では、喫煙指数が高くなると肺門部発生例が増え、区域気管支より末梢での発生例は非喫煙者に多発している43)-45)

北川らは、肺がん手術例の喫煙習性を組織型別に調査し、肺転移がんとオッズ比を比較し、従来の成績に類似した結果を得ている。喫煙者に肺がんが発生する相対危険度は男性で非喫煙者の4.2倍、女性で2.1倍であった。組織型別にみると、男性の扁平上皮がん27.8倍以上、小細胞がん7.5倍以上、大細胞がん5.6倍以上となるが、腺がんは1.5倍、女性の腺がんは1.3倍であり、組織型による差が大きく、喫煙と腺がんとの関係は弱いと想定した。腺がんの組織亜型別に検討する必要性を指摘している46)

沖縄での肺がん多発の原因の究明は、各方面から実施されているが、まだ有力な因子は確定されていない。喫煙は一因子であるが、生活環境・食生活などの調査はあるものの、まだ原因は不明といわざるをえない現状である47)48)

腺がんの発生病理

慶応義塾大学病理の影山らによると、気道上皮内に存在し神経分泌顆粒を有するKult‐shitzky細胞(K細胞)は、喫煙者で上皮細胞数に対する比率が増加するが、喫煙指数との相関は不明解であった。また、K細胞の増生であるtumorletは、炭粉沈着の軽い繊維化巣内に見出され、女性に多く、喫煙との関係は少ないと考察されている。影山らは、この病変について、動物実験と気管培養の面からも追究することを試みている49)50)

肺の気管支、細気管上皮および肺胞マクロファージに存在する自家蛍光色素顆粒AFGの存在と脂質代謝に注目した佐藤らは、この顆粒が男子腺がんに多い事実に着目した。ラットの実験では、飼料中のコーンオイル、ビタミンEの多少による直接の影響は弱く、スンクス(トガリネズミ)に酸化防止剤butylated hydroxyanisole(BHA)を投与すると、末梢呼吸上皮に過形成が起こり、AFGの増量を認め、脂質代謝の関与を推定している。また、ニコチン含有飲料水投与ラットでは上皮増生像はあるが、気管上皮のAFGは変動が少なく、血漿遊離脂肪酸の組成を精査すると、リノール酸増加の傾向を示していた。ニコチン投与による血漿中の不飽和脂肪酸の変動、アラキドン酸代謝などの研究と、気管支上皮のagepigmentと呼ばれる自家蛍光色素顆粒と上皮増生との関係の研究が待たれている7)51)-58)

肺がんの病理-腺がん型-

肺がんのうち、喫煙と関係の深い扁平上皮がんにくらべて、日本での比率の高い腺がんの発生とその周辺病巣に関しては、多数の論文がある。発がんの母地についても、ヒトの剖検例・手術例、各種の動物実験などから論じられているが、喫煙の関与についてはまだ確定的な方向は見出されていない。ここではまず腺がんについて助成研究者の研究を総括し、つぎに扁平上皮がんの病理と治療、予防などについて述べることにする。

下里らは多数の肺がん症例を用い、脳転移手術例、肝転移剖検例の肺腺がん原発巣のがん細胞をpropidium iodideで染色し、蛍光顕微鏡を用いて核DNA量を測定し、ヒストグラムをつくり、原発部と転移巣を比較した。平均核DNA量は脳・肝転移巣で有意に増加し、この原因としては、原発巣増殖中に悪性化が高まり血行転移したか、転移巣での悪性化が増したかのいずれかが考えられるとした。一方、リンパ腺転移巣では原発巣に近い値を示し、有意差はみられなかった。つぎに、脱がん原発部を組織学的に間質の少ない乳頭状配列部(I型)、間質の多い乳頭状部(II型)、管腔形成の乏しい充実部(III型)の3型に分け、上記核DNA量を測定した。その結果、間質の多い乳頭状部で核DNA量が多く、ヒストグラムパターンも転移巣と同様の傾向がみられることから、I型からII型に段階的に増悪し、血行転移の源泉となる場合が多いと推論している。血行性とリンパ行性転移では異なったクローンを示すことが多く、また肺内気管性転移は間質の乏しい高分化型で、核DNA量の異常は軽度であった。下里らはまた、p53がん抑制遺伝子は転移と肺がんのstageに関係し、その突然変異は比較的早期に起こる変化と想定している。さらに、径2cm以下の末梢型早期肺腺がんの56手術例を対象として、細胞型と分化度、血管浸潤、線維化巣の硬質化、核異型、分裂期細胞指数などと予後の関係を検討した。5年以内の死亡1例を含む再発例5例があり、5年以降の2例を合わせた計7例と非再発例とを比較した結果、血管浸潤がなく、分裂期細胞数が低くかつ線維化巣の膠原化のない例は、外科的治癒が可能であることが判明した8)59)-62)

肺腺がんの初期病巣と化生増殖像との因果関係については多くの文献があるが、児玉らは計476の手術例を用いて、両者を検討した。腺がんの組織発生は、前がん病変である腺腫様過形成AHおよび異型腺腫様過形成AAHからのがん化と、前がん病変のないde novo発がんが存在すると想定している。AHは全肺癌の19%、AAHは12%で認められた。腺がん例では、17%で原発腺がんの辺縁部にAAHが共存し、径0.5cm以下の病巣が多く、免疫組織化学的にはII型肺胞上皮の性格を示すものが多かった。AH、AAHは女性に多く、若年者(39歳以下)には認められず、肺多発がんでは67%でAAHが認められ、共存例が多かった。AAH共存腺がんは高分化乳頭型が大部分であり、限局性にくらべ、びまん性では核異型の乏しいクララ細胞あるいはII型肺胞上皮型であることから、漸次悪性化を起こすモデルとも考えられるとしている。また、AAHと腺がんの通常形態像の核異型と細胞の配列のみでは、両者の区別を決定することは困難であり、CEAモノクローナル抗体を用い、免疫組織化学的にみると、AAH共存腺がんのAAH部位にのみCEA陽性所見を認め、孤立性のAAHはすべて陰性であった。AAHの腺がん共存例にCEA陽性例が多く、また移行像もあることから、AAHの多くは高分化腺がんへの途上にある病変であることを示唆している9)10)63)-65)

町並らは、高分化腺がんの肺内小転移巣と比較しつつ、AH、AAHの病巣について検討した。これらは非肺がん例にも存在することから、II型肺胞上皮あるいはclara細胞の増殖巣ではないかとみなされているが、過形成性病変か腫瘍性(腺腫)病変かは明確ではなく、むしろ腺がんの前がん病変としての意義が注目されるとしている。方法としては、細胞増殖核蛋白の一つであるKi-67抗原に対するモノクローナル抗体(MIB-1)と癌抑制遺伝子であるp53遺伝子蛋白に対するモノクローナル抗体(DO-I)を用いた免疫組織学的検索を行い、あわせてcytokeratin 19を認識するモノクローナル抗体による検索も実施している。その結果、AHやAAHでは、原発巣や肺内転移巣にくらべてMIB-1陽性細胞が圧倒的に少なく、p53蛋白については陰性、AAHはcytokeratin 19について強陽性を示すことを明らかにした67)

柴らは、腫瘍の最大径が2cm以下の末梢小型肺腺がん手術例21例の追跡調査を行い、各症例のstage I~IV期に準じて再発するが、stage III、IVの進行期症例ほど核異型性および多型性のスコアが高く、最も軽度のスコア3では0%、スコア6では100%と、再発率が漸次高くなることを明らかにした。この事実から、核DNA量の増加とヒストグラムの変化に伴って再発率が増加し、重喫煙者では予後不良例が多い傾向があると報告している68)

肺腺がんの発生機序に関連して、肺実質部のどの組織に母地を求めるかは予防医学上重要な事項であるが(この方面の研究は近年大いになされている)、蟹沢らはこれを動物実験の組織発生から検討した。マウスに肺がん物質のethyl carbamate(ウレタン)を投与すると、II型肺胞上皮細胞の変性と細気管支上皮の増殖が起こり、ついで腺腫・腺がんへと移行する腫瘍発生機序を証明した。さらに、マウス皮下へ20-methylcholanthreneを投与し、発生する肺腫瘍はすべて腺がん型で、de novo発がんとクララ細胞・II型肺胞上皮のhyperplasiaから始まるものとがあることを明らかにした。また、酵素組織化学的・形態学的に検討し、progressionの数段階を経て悪性化することをみている。これら肺腫瘍発生過程において、BrdUを用いた細胞標識率(BLI)で多段階の腺がん系の発生過程を解析しており、また、レクチン親和性を利用して肺胞細胞の表層糖鎖を鑑別し、多段階発生を支持する結果を得ている69)-72)。喫煙の関与は論じられていない。

肺がんの病理-肺扁平上皮がん型-

喫煙習性と関係の深い気管粘膜原発の扁平上皮がんについての研究は、腺がん型についての研究に比較して少ないのが現状である。発生機序の解明よりもむしろ、治療面・予防面からの追究が進んでいる。

従来、扁平上皮がんの化生増殖から扁平上皮がんへのプログレッションは、職業性肺がんの解析、動物実験の成績などから容認され、ビタミンおよび葉酸類の関与が論じられている。

東京医科大学外科グループは、内視鏡による組織診と擦過細胞診により、気管支扁平上皮化生病巣の異型度を形態学的に0~3の4段階にスコア化した。この症例を無処置群とビタミンB12 750μg、葉酸10mg を連日投与する群に分け、経過を観察し、発がん予防効果の評価を行った。気管支病変とともに血中葉酸、ビタミンB12の濃度を測定した結果、投与群の数値の上昇を認め、同時に化生増殖のスコアも減少(正常化)を示したことから、扁平上皮化生の修復治癒効果を示唆している。この結果から、同グループは、発がん性炭化水素の活性低下や免疫系の増強などによるchemopreventionの可能性を論じ、さらに症例を増し、効果を検討すべきあるとしている73)-77)

これに類する動物実験としては、ラットにメチルコラントレン(MCA)5mgを2回経気道投与し、肺腫瘍を発生させ、これに対するビタミンA、葉酸、ビタミンB12投与の影響をみた実験がある。数年間にわたる実験の結果、葉酸投与群では扁平上皮化生、異型化、腫瘍発生が抑制されることを明らかにした。葉酸欠乏飼料では逆に促進され、また、MCA投与後20週からの葉酸投与では、抑制効果は出現しない。この事実から、葉酸の治療的効果は期待できず、むしろ予防的作用を示すと論じている。また、ラットのMNNG経口投与実験でも、葉酸は胃腫瘍発生に対して抑制的に作用している78)-80)

東京医科大学の早田らのグループは、エキシマ・ダイ・レーザー装置を用い、405nmと630nmの2波長により、診断と治療を可能とした。マウスの移植腫瘍を用いた動物実験によりその効果を十分確認したのち、ヒト肺がん中心型9例と喉頭がん1例に診断と治療を実施した。蛍光物質投与後72~120時間で腫瘍部を鑑別し、レーザー照射を実施して、きわめて高い治療効果を得ている。喫煙と関係の深い肺門部大気管支原発の肺がん、特に初期病巣に対して有効な治療法と考えられる81)-83)

小細胞がん、大細胞がんについての研究論文は見あたらない。

放射能のがん

放射能による人体影響については、広島・長崎の原爆被爆者などの調査から、高線量被曝下での影響については理解が進んでいるが、低線量の影響に関する研究は少ないといわざるをえない。滝澤らは、マウスL-5178 Y細胞を用いた実験で、その増殖能と[3H]-Thymidineを用いたDNA合成能の検査を行い、同じく自然放射能を遮蔽した場合の効果を論じている。また被曝量の判明している放射線技師より採血、培養し、γ線照射後のりンパ球の染色体異常について観察し、低線量の長期被曝は耐性(放射線適応応答)をもたらすであろうとしている84)-87)

滝澤らはまた、中国産および日本産のシガレットに含まれる210Pbを測定し、また人体諸臓器中の210Poと210Pbを測定して、自然界よりの取り込みと喫煙による取り込みの量を推定するとともに、肺がん死亡のリスクを試算している88)

肺以外のがん

膀胱がんとの関係で注目される尿の変異原性については、尿量・年齢と喫煙など種々の因子があるが、測定にはTA98(サルモネラ菌の系統)にS-9を添加したAmesテストが最適である。金岡らによると、喫煙者の尿変異原性は喫煙後4時間で最高となり、6時間で喫煙前に復するが、個人差があり、代謝機能の差の関与が想定される。また、F-344ラットを用いた動物実験モデルでの受動喫煙暴露により、尿変異原性は高くなる結果を得ている89)

喫煙成分に存在するp‐aminophenolは、N-ethyl-N-hydroxyethylnitrosamine(EHEN)によるハムスター腎腫瘍発生を促進し、o‐aminophenolにも膀胱における前がん病変発生の促進作用があると報告されている。また、caffeic acid、sesamolは、ラットの前胃粘膜に対し強い増殖作用を示すが、それらの膀胱上皮に対する作用は陰性であった90)

女性性器(子宮頸部)がんの発生には、ヒト乳頭ウイルスHPVの関与が強調されている11)。石黒らは、その段階的悪性化とHPV各型の関係を検討した。喫煙習慣の調査では、HPV感染者中の喫煙者は、早期より高率に悪性化が進行する可能性が論じられている。HPVの16、18および33型はプログレッションの重要な危険因子とみられるが、他のpromoterの一因子として、喫煙は除外できないことが示唆されている91)-93)

*1埼玉医科大学名誉教授


文献

1) Tobacco Smoking. IARC Monographs on the evaluation of the carcinogenic risk of chemicals to humans. Vol.38,IARC,Lyon,1986.
2) 松村公人、香月秀雄、沢田勤也ほか 発癌剤徐放法による成犬実験肺癌モデル作成の試み.医学のあゆみ 141:487-488,1987.
3) Taylor,H.W., Lijinsky,W. Squamous-cell carcinoma of the lung. NHMI-induced squamous-cell carcinoma in the lungs of rats. Am.J.Pathol.119:168-170,1985.
4) 清水弘之、富氷祐民、中川宣子ほか 肺がんの疫学的研究. 肺癌 17:103-112,1977.
5) 常俊義三、竹本和夫、森満 保ほか 喫煙の咽・喉頭癌に及ぼす影響に関する文献的研究. 喫煙科学研究財団発行.1993.
6) Morita,T., Urano,Y. An autopsy study of lung cancer with special reference to the relationship  between cigarette smoking and histological differentiation of adenocarcinoma and squamous cell  carcinoma.Jpn.J.Clin.0ncol.19:94-101,1989.
7) 佐藤秩子、伊藤美武、田内 久 気管支上皮内自家蛍光色顆粒発現様相の形態分析-ヒト肺癌症例とスンクス肺での検討-. 肺癌 29:337-342,1989.
8) Shimosato,Y., Noguchi,M., Matsuno,Y. Adenocarcinoma of the lung:Its development and malignant progression. Lung Cancer 9:99-108,1993.
9) Kodama,T., et al. Morphometric study of adenocarcinomas and hyperplastic epithelial lesions in the peripheral lung. Am.J.CIin.Pathol.85:145-151,1986.
10) 児玉哲郎、西山祥行、西脇 裕ほか 肺腺癌と異型増殖性病変、その病理組織学的検討 肺癌 28:325-333,1988.
11) 山出一郎、秋山 稔、高橋良樹ほか 子宮頚部異形成とHPV感染. 産婦の進歩 45:527-529, 1993.

研究年報

12) 沢田勤也、松村公人、石田逸郎ほか タバコタール中芳香族炭化水素系発癌物質徐放実験の確立とその応用. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:183-194.
13) 沢田勤也、松村公人、石田逸郎ほか タバコタール中芳香族炭化水素系発癌物質徐放実験の確立とその応用. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:88-94.
14) 沢田勤也、松村公人、池田栄雄ほか 3,4 Benzo(a)pyrene徐放発癌実験ModelによるPreneo-plastic cellsの形態学的研究および宿主Susceptibilityの検討-. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:119-123.
15) 沢田勤也、松村公人、池田栄雄ほか 3,4 Benzo (a)pyrene徐放発癌実験ModelによるPreneo-plastic cellsとヒト気管支扁平上皮細胞の形態学的研究-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:118-121.
16) 沢田肋也、池田栄雄、田中 昇ほか 3,4 Benzo(a)pyrene徐放発癌実験ModelによるPreneo-plastic cellsとヒト気管支扁平上皮細胞の形態学的研究-. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:93-96.
17) 沢田勤也、池田栄雄、田中 昇ほか 3,4 Benzo(a)pyrene徐放発癌実験ModelによるPreneo-plastic cellsとヒト気管支扁平上皮細胞の形態学的研究-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:65-68.
18) 沢田勤也、池田栄雄、田中 昇ほか 3,4 Benzo(a)pyrene徐放発癌実験ModelによるPreneo-plastic cellsとヒト気管支扁平上皮細胞の形態学的研究. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:67-72.
19) 竹本和夫、片山博雄、小田切陽一 経気道的肺発癌に及ぼす喫煙の影響について. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:94-96.
20) 竹本和夫、片山博雄、小田切陽一 経気道的肺発癌に及ぼす喫煙の影響について. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:104-107.
21) 竹本和夫、片山博雄、小田切陽一ほか 経気道的肺発癌に及ぼす喫煙の影響について. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:72-77.
22) 竹本和夫、川村 堅、小田切陽一ほか 実験的肺扁平上皮癌発生に及ぼす人工喫煙の影響. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:49-52.
23) 竹本和夫、内田博之、川村 堅ほか 実験的肺扁平上皮癌発生に及ぼす人工喫煙の影響. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:41-46.
24) 竹本和夫、内田博之、柴崎智美ほか 実験的肺扁平上皮癌発生に及ぼす人工喫煙の影響. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:39-44.
25) 林  豊、大和田英美、河野俊彦 喫煙の呼吸器におよぼす影響を増強する因子に関する研究. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:132-143.
26) 林  豊、大和田英美、河野俊彦 喫煙の呼吸器におよぼす影響を増強する因子に関する研究. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:186-195.
27) 林  豊、大和田英美、河野俊彦 喫煙の呼吸器におよぼす影響を増強する因子に関する研究. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:101-113.
28) 、木村雄二 喫煙の肺クララ細胞への影響に関する研究. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:204-206.
29) 鈴木磨郎、阿部郁夫、堀 勝義 悪性腫瘍特に肺癌における微小循環動態と喫煙関連物質の影響. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:166-171.
30) 蟹沢成好、北村 均、稲山嘉明ほか 気道上皮のin vivoin vitro培養系を用いたヒト気道上皮細胞の増殖・分化ならびに発癌過程の検討. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:92-103.
31) 蟹沢成好、稲山嘉明、北村 均ほか 気道上皮のin vivoin vitro培養系を用いたヒト気道上皮細胞の増殖・分化ならびに発癌過程の検討. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:83-92.
32) 蟹沢成好、伊藤隆明、北村 均ほか 気道上皮のin vivoin vitro培養系を用いたヒト気道上皮細胞の増殖・分化ならびに発鹿過程の検討. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:60-64.
33) 蟹沢成好、北村 均、伊藤隆明ほか 喫煙の経消化管的影響に関する実験病理学的研究. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:207-213.
34) 蟹沢成好、北村 均、伊藤隆明ほか 喫煙の経消化管的影響に関する実験病理学的研究-気道上皮細胞の形態変化の電顕的・形態計測的研究-. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:131-140.
35) 蟹沢成好、北村 均、伊藤隆明ほか 喫煙の経消化管的影響に関する実験病理学的研究(総括報告). 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:86-93.
36) 常俊義三、田中隆信、田辺 操ほか 肺癌に対する喫煙の寄与率に関する文献調査研究. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:782-791.
37) 森  亘、長谷川章雄、青山 弘ほか 人体剖検例からみた喫煙及び飲酒の影響に関する病理疫学的研究. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:172-177.
38) 森  亘、志賀淳治、長谷川章雄ほか 人体剖検例からみた喫煙及び飲酒の影響に関する病理疫学的研究-肺癌組織型と喫煙との関係. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:22-25.
39) 森  亘、田中文彦、長谷川章雄ほか 人体剖検例からみた喫煙・飲酒の影響に関する疫学的研究. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:32-36.
40) 町並陸生、岡 輝明、田中文彦ほか 人体剖検例からみた喫煙及び飲酒の影響に関する病理疫学的研究-重喫煙者における気道病変の病理組織学的検討-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:32-43.
41) 町並陸生、岡 輝明、田中文彦ほか 人体剖検例からみた喫煙の呼吸器に及ぼす影響に関する病理学的研究-重喫煙者における気道病変の病理組織学的検討-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:300-308.
42) 町並陸生、岡 輝明、森 正也ほか 人体剖検例からみた喫煙の呼吸器に及ぼす影響に関する病理学的研究-重喫煙者における気道病変の病理組織学的検討-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:317-326.
43) 森田豊彦、可部順三郎、進藤 登 成人連続剖検症例による喫煙と肺癌の臨床病理学的研究. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:104-105.
44) 森田豊彦、工藤宏一郎、可部順三郎ほか 成人連続剖検症例による喫煙と肺癌の臨床病理学的研究-肺癌症例の組織型および分化度と喫煙歴の関係-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:109-115.
45) 森田豊彦、工藤宏一郎、可部順三郎ほか 成人連続剖検症例による喫煙と肺癌の臨床病理学的研究-肺癌症例の喫煙歴・喫煙指数と臨床病理学的事項との関係-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:100-107.
46) 北川知行、土屋永寿、翁 秀岳ほか クロム肺がんの発生に及ぼす喫煙の影響-喫煙と肺癌組織型との関係-. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:160-165.
47) 大野良之、鈴木貞夫、林 豊ほか 沖縄県における肺がん発生と関連要因に関する研究(第VI報). 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:893-906.
48) 林 豊、石橋正彦、大和田英美ほか 肺癌の多発する沖縄地方の人の突然変異促進物質の研究(予報). 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:147-152.
49) 影山圭三、鳥潟親雄、加勢田静ほか 肺癌発生に関する病理学的研究. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:155-159.
50) 影山圭三、鳥潟親雄、加勢田静ほか 肺癌発生に関する病理学的研究. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:149-153.
51) 佐藤秩子、田内 久 肺がん発生要因と喫煙-とくに肺の脂質代謝との関連を中心として-. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:151-154.
52) 佐藤秩子、田内 久 肺癌発生要因と喫煙-とくに肺の脂質代謝の形態分析-. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:154-158.
53) 佐藤秩子、伊藤美武、田内 久 肺癌発生要因と喫煙-とくに肺の脂質代謝の形態分析. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:114-117.
54) 佐藤秩子、伊藤美武、田内 久ほか 肺癌発生要因と喫煙-肺腺癌発生と肺脂質代謝-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:112-117.
55) 佐藤秩子、伊藤美武、田内 久ほか 肺癌発生要因と喫煙-肺腺癌発生と肺脂質代謝-. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:104-107.
56) 佐藤秩子、伊藤美武、田内 久ほか 肺腺癌発生と肺脂質代謝-特にニコチン飲用実験の影響を中心にして-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:74-78.
57) 佐藤秩子、伊藤美武、田内 久ほか 肺腺癌発生と肺脂質代謝-特にニコチン飲用実験の影響を中心にして-血漿遊離脂肪酸の組成変化-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:77-80.
58) 佐藤秩子、伊藤美武、田内 久ほか 稀釈ニコチン飲用ラットにおける脂質代謝の生化学的、免疫組織化学的検討-海馬領域におけるsynaptophysinの局在様相の免疫組織化学的検討-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:70-72.
59) 下里幸雄、広橋説雄、松野吉宏ほか 肺腺癌の発生と多段階的増悪に係わる諸因子の解析. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:108-112.
60) 下里幸雄、広橋説雄、野口雅之ほか 肺腺癌の発生と多段階的増悪に係わる諸因子の解析. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:79-83.
61) 下里幸雄、広橋説雄、松野吉宏ほか 肺腺癌の発生と多段階増悪に係わる諸因子の解析. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:81-87.
62) 下里幸雄、黒川聡則、広橋説雄ほか 肺腺癌の発生と多段階増悪に係わる諸因子の解析-外科的に治癒可能な肺末梢発生の早期腺癌について-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:73-75.
63) 児玉哲郎、西脇 裕、西山祥行 肺腺がんの初期像と背景病変、その個体情報. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:113-119.
64) 児玉哲郎、松本武夫、西脇 裕ほか 肺腺がんの初期像と背景病変、その個体情報. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:84-89.
65) 児玉哲郎、松本武夫、長谷部孝広 肺腺がんの初期像と背景病変、その個体情報. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:88-93.
66) 児玉哲郎、松本武夫、長谷部孝広ほか 肺腺がんの初期像と背景病変、その個体情報. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:76-81.
67) 町並陸生、岡 輝明、森 正也ほか 人体剖検例からみた喫煙の呼吸器に及ぼす影響に関する病理的研究-異型腺腫様過形成の免疫組織化学的検討および肺癌組織におけるcytokeratin l9の免疫組織化学的検討-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:369-376.
68) 柴 光年、半沢 儁 喫煙と肺癌の発生に関する臨床的研究-末梢小型肺腺癌に関する臨床的、細胞形態学的検討-. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:195-203.
69) 蟹沢成好、伊藤隆明、野沢昭典 肺腺癌の発生要因、発生機序の実験的解析. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:120-127.
70) 蟹沢成好、野沢昭典、伊藤隆明ほか 肺腺癌の発生要因、発生機序の実験的解析. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:90-96.
71) 蟹沢成好、野沢昭典、伊藤隆明ほか 肺腺癌の発生要因、発生機序の実験的解析. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:94-99.
72) 蟹沢成好、野沢昭典、伊藤隆明ほか 肺腺癌の発生要因、発生機序の実験的解析. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:84-90.
73) 早田義博、加藤治文、平野 隆ほか 喫煙者の気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸及びビタミンB12の併用効果に関する臨床的研究(第1報)(第2報). 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:60-66.
74) 加藤治文、小中千守、斉藤 誠ほか 喫煙者の気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸及びビタミンB12の併用効果に関する臨床的研究. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:41-43.
75) 加藤治文、小中千守、斉藤 誠ほか 喫煙者の気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸及びビタミンB12の併用効果に関する臨床的研究. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:33-36.
76) 加藤治文、斉藤 誠、土田敬明ほか 喫煙者の気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸及びビタミンB12の併用効果に関する臨床的研究. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:31-34.
77) 加藤治文、斉藤 誠、平野 隆ほか 喫煙者の気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸及びビタミンB12の併用効果に関する臨床的研究. 平成6年度喫煙科学研究財団研究年報:14-17.
78) 林 豊、亀井太美子、河野俊彦ほか 気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸、ビタミンB12及びビタミンAの治療効果に関する実験的研究-葉酸及びビタミンA溶剤の影響-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:33-40.
79) 林 豊、大和田英美、広島健三ほか 気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸、ビタミンB12及びビタミンAの治療効果に関する実験的研究-胃粘膜上皮の増殖(発癌)に及ぼす葉酸の影響. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:27-32.
80) 林 豊、宮原英樹、広島健三ほか 気管支扁平上皮化生に及ぼす葉酸、ビタミンB12及びビタミンAの治療効果に関する実験的研究. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:22-30.
81) 早田義博、加藤治文、会沢勝夫ほか 肺がんのLaser photoradiationによる診断と治療、特に蛍光診断装置に関する研究. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:147-150.
82) 早田義博、加藤治文、会沢勝夫ほか 肺癌のLaser photoradialionによる診断と治療、特に蛍光診断装置に関する研究. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:204-208.
83) 早田義博、加藤治文、会沢勝夫ほか 肺癌のLaser photoradiationによる診断と治療、特に蛍光診断装置に関する研究. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:188-192.
84) 滝澤行雄、山下順助、田ノ岡宏 低線量放射線照射の生体影響. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:863-870.
85) 滝澤行雄、山下順助、田ノ岡宏 低線量放射線照射の生体影響-2. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:876-880.
86) 滝澤行雄、山下順助、田ノ岡宏ほか 低線量放射線照射の生体影響-3. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:948-953.
87) 滝澤行雄、山下順助、田ノ岡宏 低線量放射線照射の生体影響-4. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:966-971.
88) 滝澤行雄、阿部 亨、趙 蘭才ほか たばこ中の放射性物質の差異による健康影響の評価 第4報-喫煙による210Poおよび210Pbの身体寄与とそのリスク(総括)-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:868-875.
89) 金岡俊雄、金丸洋史、西尾恭規ほか 喫煙に由来する尿変異原性に影響を及ぼす諸因子. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:53-61.
90) 伊東信行、広瀬雅雄、増井恒夫 尿路系腫瘍発生に対する煙中成分のプロモーション作用の有無に関する研究. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:62-66.
91) 石黒達也、高橋良樹、山出一郎ほか 婦人性器癌発生及び進展の宿主要因に関する臨床的研究. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:106-111.
92) 石黒達也、高橋良樹、山出一郎ほか 婦人性器癌発生及び進展の宿主要因に関する臨床的研究-子宮類癌の集団検診で細胞診異常を指摘された症例の長期観察にもとづく検討-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:116-122.
93) 石黒達也、高橋良樹、野田洋一 婦人性器癌発生及び進展の宿主要因に関する臨床的研究-子宮頸部におけるヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染と頚部病変-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:108-113.